自宅は仕事用にフレッツのPPPoEのIPv4固定IPを利用していました。既存環境は空いてる時間帯は100M近く出るのですが、夕方ごろの混雑する時間帯になると15Mbpsぐらいになるためどこまで改善できるか試してみました。
結論
まずは結論から。
- 既存環境: IPv4固定 PPPoE: 15Mbps
- IPv6のみ(transix IPoE): 96Mbps
- 固定IPv4 over v6(transix IPoE): 80Mbps
混雑する時間帯でもIPoE環境であれば80Mbps近い速度で利用できるため乗り換えても良さそうという結論に。
混雑していない時間帯は既存環境は100M程度、IPoE環境は150-200Mbps程度出ます。
導入の要件
- IPv4固定IPアドレスが利用可能
- ポート数の制限がない
- IPoEのIPv6接続が可能
v4 over v6環境(IPoE)でも固定IPv4アドレスが使えると何かと便利なためこれを必須要件にしました。
構成
フレッツは複数のISPを同時利用できるため既存のPPPoE固定IPv4はそのままに、もう1つのISPを契約して試してみました。
構成はNTTのONUにHUBを挟んで、ルータを2つ利用する形に。
- ONU -> HUB -> ルータ1(PPPoE 既存環境)
- ONU -> HUB -> ルータ2(IPoE)
1は既存のIPv4固定IPのPPPoE構成です。今回2の構成を追加してみました。
固定IPv4アドレスが使えるIPoE接続業者
v4 over v6環境で多いのは、MAP-EやDS-Liteの構成です。これらは固定IPではなく、1つのIPv4アドレスを複数人で共有するため利用ポート数も限られます。
今回は固定IPv4アドレスが利用したかったため、InterlinkのZOOT NATIVEで固定IPオプションを付けて契約しました。月2200円。
これですと、固定IPv4かつすべてのポートが利用でき、IPv6環境も利用できます。固定IPが不要な場合はDS-Liteの動的なIPv4アドレスの接続になります。
ZOOT NATIVEに申し込みして1時間ぐらいすると利用できるようになったため、ルーターを繋ぐと何も設定しなくてもまずは動的なIPv4のDS-Liteで接続できました。
そこからルーターにてIPv4固定IPの設定をすると、無事にIPIP接続となり固定IPv4が利用できる状態になりました。
ルーター
DS-Liteのルーター(動的なIPv4アドレス)の場合ですと色々なルーターから選択できますが、今回のような固定IPv4 over v6環境の場合はIPIP接続となりルーターが限られます。
対応ルーターリストはこのリンク先を参照。
ZOOT NATIVE IPv4固定IP1個対応ルーター一覧
Yamaha RTX830など高いルーターが多いのですが、エレコムのルーターが安くてこの接続に対応していたので5000円ぐらいで売っていた WRC-2533GS2-B を買いました。
固定IPv4アドレスの設定方法はこのマニュアルを見ると分かります。Interlinkから送られてきた情報をそのまま入力するだけですぐに利用できました。
注意点
Interlinkの申し込み時にすでに利用中のPPPoEのISPでIPv6利用ができる状態の場合、まずはこちらのIPv6契約を解除する必要があります。IPv6環境は1つのフレッツ回線で1契約しか利用できないためです。
その他
ZOOT NATIVEのDS-Liteだと動的なIPv4アドレスで逆引きのFQDNが設定されていますが、固定IPv4に変更すると逆引きのドメインは設定されていませんでした。
今後、既存PPPoEを残したままだとONU -> HUB ->ルータ1,2 という構成を続けないといけないですが、YamahaのRT830(5万円弱)にすればHUBが不要でルータは1つにまとめられるかもしれません。
Transixとは何か
NTTは日本の法律で直接IPv6のグロバールインターネットを提供できないようで、フレッツ用の閉域網のみでIPv6提供、それをグローバルインターネットにつなぎ込むVNEというサービスを提供している会社の一つがINTERNET MULTIFEED(transix)です。そのほかの提供会社としてJPNEなどがあります。
InterlinkがTransixと契約してグローバルインターネットを提供している形で、IPv4もTransixのもののようです。